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「おお、そなたが孫尚宮か。以前、主上付きの尚宮となるまでは、この大妃殿におったそうな。そなたの話は柳尚宮よりよく耳にしておるぞ」
　明香はそっと首を巡らせる。上座の大妃の傍らに柳尚宮がひっそりと控えていた。
　柳尚宮は大妃付きの尚宮ゆえ、ここにいたとしても何の不思議もない。明香は柳尚宮に向かって黙礼した。