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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第4章 心のゆくえ

 明香は、そっと小さな吐息を零した。 
 王が盃を重ねるのは、もうこれで幾度めになるだろうか。かれこれ一刻以上にも渡って、王は酒を浴びるように呑んでいた。
 まるで心に溜まった鬱憤を晴らすかのような姿は自棄になってしまっているようだ。
 そんな夜が何日も続いていた。そう、明香と王の間が再び気まずくなったのは、あの夜の出来事以降のことだ。

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