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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第2章 禁断の恋

 明香は逡巡した末、とうとう床から出た。薄物の白の夜着から普段のチマ・チョゴリに着替え、そっと周囲を窺いながら部屋を出る。
 女官たちは寝静まっているらしく、どの部屋からも物音一つ聞こえない。明香はその脚で庭園に向かった。数日前、王と二人だけで思いがけぬひとときを過ごした場所。あそこに行ってみたいと思ったのだ。

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