
イケない同棲生活
第6章 犯人追跡?
―――それから数週間後。
「雨宮君~っ仕事覚えるの早いね?!もういっそここで働きなよ~」
「ね、ここどうするかわかんないんだけど…」
「雨宮君!」「雨宮さん!」
オフィス内での雨宮熱は冷めるどころか、更に激化していっており、とうとう真弘の表情にも疲れが滲み出始めていた。
今朝も、スーツがきついだとかなんだとか言っていたから、
『休めば?』
と私が気を利かせて言ったのに、
『誰も休むなんて言ってねぇ』
結局そこから何も言わずに私の仕事場に来た真弘。
「あっ雨宮君逃げないでよっ」
「…………」
女性社員に囲まれているこの光景ももう見慣れ、すでに日課となりつつある。
そして―――
「先輩、この資料できましたけど」
「あ、うん見るよ」
彩織が警戒していた宮島楓も、なんら変わらず。
意外と真面目に仕事をしている。
――食われるかもよ?
彩織のこの言葉に暫く警戒していたけれど、それはどうやら心配のしすぎたったらしい。
