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愛 人 契 約

第3章 近づいていく距離

「……………おおお、お酒作りますね!!」



わたしはさりげなく黒崎さんの手から顔をそらすと、グラスにお酒を作る。

ドキドキして氷がうまくつかめない。

あからさまに動揺してしまう自分が恥ずかしい。

お客さんにこんなにときめいちゃうなんて、ほんとわたしはキャバ嬢に向いていない。





「千春ちゃん、今日はアフターどう?」

「あ……でも上がりまですごく時間あるし…」



これまでも何回かアフターに誘ってもらったけど、何かしら理由をつけて断っていた。

なぜかというと、翌日もファミレスのバイトがあったっていうのと…

黒崎さんとあまり一緒にいてしまうと、本当に好きになっちゃいそうだから。

距離を保っておきたい、ていうのが本音だった。

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