
そして僕等は絡み合う
第3章 西垣 静湖の場合
イベント会場がある駅に着くと…
「何でぇ~!!」
思わず声をあげてしまう!
「はぁ?」
人見さんが睨む。
巻いた筈なのに…同じ車両から出て来て、同時に改札出てるし!
「何でもないわよ!」
でも、流石に不味い…タクシー拾う距離でもない。
開場まで、かなり時間あるのに…ん?入待ちか!!
だったら尚更、不味い!
スタッフの振りをするか…スタッフなんて、殆どいないしな…。
悶々と考えている内に、会場が近付いてきた。
「西垣さん…同じ方向なの?」
いつまでも一緒なのが、流石に気になったか!
「そ、そうね…偶然だね!」
「ふ~ん…他のバイト?」
え?コンビニ以外のバイトだと思ったみたいだな。
よし!合わせておこう!
「そ、そうよ!掛け持ちしてんのよ!」
「ふ~ん…でも、ここ…コスプレ通りだけど…。」
しまった!
「知ってるわよ!」
