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そして僕等は絡み合う

第3章 西垣 静湖の場合

だからといって、私と高橋さんの接点は特にない。


以前男性ファッション誌イベントで、イベント派遣からキャンペーンガールとして単発仕事が入った時も、カラーのウィッグを着けて、服装もキャラクターみたいだったから、私の面影なんてない…。


ただの飾り…ちょっとイベントに花を添えるだけの人形…。


でも、高橋樹はイベンター、スタッフ…そして私たち脇役にも、丁寧に挨拶をしていった。 


『高橋樹です。今日は宜しくお願いします!』


ニッコリ笑った、端正な顔。


一気に舞踊会のシンデレラの気分だったわ!


舞踊会参加した事は、ないけど。


でも、キャンペーンガールなんか名前までは聞いてくれるわけない…だから、イベントが終わった時に、隙を見て駆け寄ったんだ。


「高橋さん!お疲れ様でした!」


「あ~お疲れ様~!立ちっぱで疲れたでしょ。」


また王子の微笑み…ウットリ~…と、してる間に高橋樹は眼鏡くんと居なくなっていた。


ガビ~ン!


それが、『高橋樹 』との出会いだったの…。

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