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砂漠の月、星の姫~road to East~

第1章 第一夜【砂漠へ~road to oasis~】

 ああ、このひとは確かに自分を愛してくれていたのだと、タリムは心から思えた。何より、彼の心をこの涙が物語っていた。
―東へ行きます。
 タリムはフィーロを真っ直ぐに見つめて言った。何の当てもないけれど、陽の昇るという方角をを目指して進むつもりだった。考えてみれば、無謀で危険な賭けであった。

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