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砂漠の月、星の姫~road to East~

第1章 第一夜【砂漠へ~road to oasis~】

―それならば、お願い、もう一度、淳ちゃんに逢わせて。
 愚かな願い、空しい望みだとは判っていた。とうに自分から心の離れた男に今一度逢いたいなどと願うのは、馬鹿なことだと判りすぎるくらい判っていた。だが、光香子は願わずにはおれなかったのだ。最後に一つくらい、我が儘を言っても神様は許してくれるのではないか。そんな風に思った。

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