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砂漠の月、星の姫~road to East~

第3章 第三夜【砂の蜃気楼】

 戦が始まったときから、戦局は悪かったのだ。何しろ、相手はあの草原の蒼き狼と謳われたモンゴルの王、チンギス・ハーンである。宮殿の奥深くに住まう女たちには知らされなかったが、勝算の方が少なかったのが現実なのだ。もとより、ソニンは最後まで姫に従うつもりだし、最悪の場合は死も覚悟していた。
「私が敵方の言うようにモンゴルに赴いていれば、こんな戦いは起きなかったでしょうね」

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