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砂漠の月、星の姫~road to East~

第2章 第二夜【国境の月~road to east~】

 回りを死の砂漠に囲まれていたのが幸いして、これまでに一度たりとも外国からの侵入を受けたこともなく、砂漠を行き来する交易商人たちによってもたらされた情報が唯一の外界を知る術(すべ)であった。そのため、独自の文化が発達し、その国特有の高い文明を持ち、人々は満ち足りた中で暮らしていたのだ。誰もがこの繁栄が永遠に続くものだと信じ、失われることなど考えもしなかった。

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