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砂漠の月、星の姫~road to East~

第2章 第二夜【国境の月~road to east~】

 男が遠い眼差しを暗闇へと向けたまま、呟いた。固唾を呑んでいるタリムの前で男は続ける。
「私は見たんだよ、砂漠に落ちたひと粒の宝石と称えられたほどに文明を誇った国が一瞬にして砂の下へと消えてゆくのを」
 タリムの双眸が大きく見開かれた。

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