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砂漠の月、星の姫~road to East~

第2章 第二夜【国境の月~road to east~】

「あなたは、私を馬鹿にしているの?」
 さもなければ、何だというのだろう、たかが女一人だと侮って、咄嗟には何の仕返しもできぬと、そんなことを平気で言ってのけるに相違なかった。
「いや、馬鹿になどはしていない」
 だが、眼の前の男は、少しも悪びれる風もなく言ってのける。
「彼(か)の国の王の一人娘タリム姫は砂漠の花と謳われるほどに、美しく気高い姫だと聞いている。君を見た時、すぐにタリム姫だと判った」

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