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身代わり妹

第14章 誕生

「元気な男の子だよ」

先生がたった今、お腹から出てきたばかりの赤ちゃんをお腹の上に載せてくれた。


「あ……あー……っ」

いろんな感情がごちゃごちゃと交差して、言葉が見つからない。



震える手で赤ちゃんに触れる。


温かい……。


やっと…やっと会えたね……。



「優太ぁ!」

感動に浸る凌太が叫んだ。


─────ゆうた?


怪訝な顔で凌太を見つめれば、

「名前はとっくに決めてあったんだ」

と得意げな顔の凌太。


「ええ? 私の意見はなし?」

元々、凌太に任せるつもりだったからいいんだけど、一応ツッコミ入れてみる。



「俺の家系は、男は代々”太”のつく名前なんだ。

俺の知る限り、

曾じいちゃんがアラタで、

じいちゃんがソウタ、

親父がケイタで、

俺がリョウタ、

で、俺の子がユウタ」


そう言って笑う凌太。



……どうやら子供の名前は ”秋村 優太[あきむら ゆうた]” に決まりみたい。



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