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身代わり妹

第14章 誕生

<side 凌太>


「明日からお盆休みだからな! もう出てきてもいいぞ」

お風呂上がり、寝室に戻ってきた美優のお腹に話し掛けた。


「はぁ…─────っ⁉︎ 」

突然、美優の顔が苦しげに歪む。


「美優?」

蹲る美優を、咄嗟に後ろから抱き締めた。



「痛っ…痛い…‼︎ 」

「え? マジ?」


もう本当にこれが陣痛なんじゃないかってくらいの痛がり方だ。


……病院行くか?

いや、まだ早いか?

あ、時間…時間計るんだった!

慌てて右往左往する俺。



「もうっ、お医者さんなんだからしっかりしてよ!」

美優が顔を上げて俺を睨む。

ハッとしてその顔を見れば、あっという間にまた苦しげに歪む。


「いたたたたたっ‼︎ ちょっとトイレ!」

突き飛ばすように俺の腕の中から飛び出した美優は、お腹を抱えフラフラとトイレに向かう。



「……そっちかよ」

最近ずっと便秘に悩んでたもんな……。

てっきり陣痛が始まったんだと焦った自分が恥ずかしい。


こんなんでホントに陣痛来た時、大丈夫かな。


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