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身代わり妹

第14章 誕生

「痛っ……もうっ痛いってば!」

夜中に激しい胎動で起こされる。


前まではそれすら微笑ましく思えたのに…

副作用のためのイライラに加え、夜中に起こされるイライラで大きな声を出していた。


お腹を撫でてやる事もせず、むしろベッドに押し付ける。



「美優!」

寝ていた筈の凌太から声が掛かり、驚いて身体が跳ね上がった。


「大丈夫か? お腹が下敷きになってるぞ?」

凌太は支えるようにお腹に触れた。



「痛っ‼︎ 」

凌太に反応する胎動。


「ははっ、元気だな。これじゃママが寝れないだろ」

凌太がお腹に話しかける。



「俺がいいって言うまでここにいろよ?」

「ええ? 凌太のタイミング⁈ 」


私の驚き顔に凌太はさも当然な顔で答えた。


「じゃなきゃ立ち会えないだろ。お盆休みに生まれてこいよ」

お盆休み……予定日より2週間以上早い。


「そんな都合良くいくかなぁ?」

苦笑いする私。


「いけるよ、な?」

ポコポコっ

返事をするかのような胎動。


「ほら、な?」

自慢げにそう言う凌太に、思わず笑みが漏れた。


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