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身代わり妹

第13章 敵意

優しい声を掛けながら、皆が代わる代わるお腹を撫でてくれる。

その度にお腹の中から応えるように元気な胎動が返ってくる。


元気な胎動に皆はキャーキャーと歓声を上げてくれる。

(ありがとう! 皆喜んでるよ)

私はお腹を撫でながら心の中でお礼を言った。



「凌太先生の親バカっぷり、婦長からよく聞くよ」

「最近凌太先生が可愛く思えるよ」

なんて……

病院でも凌太の親バカぶりは有名みたい。



「また働きたくなった?」

受付の先輩に聞かれ

「はいっ‼︎ 」

即答する私。


それくらいここは居心地がいい。


私が凌太の奥さんだからじゃない。

昔から、本当に可愛がってくれる人ばかりだった。


懐かしさに、私はすっかりここに来た目的を忘れていた。


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