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不器用なタッシュ

第4章 シエロ

何か面白くない。


彼女は明らかに、俺に気があるのに、何で安岡と意思の疎通が出来てるんだよ。


ジロリと安岡を見ると、口元が意地悪く笑ってやがる。


知るか!


注文を済ませて、今回の展示の話や作品の話をする。


彼女はいつも、真剣に話を聞いてくれ細かいところも拾って広げてくれる。


「へぇ~!じゃあ、そのサイズの額を探さないとなんだ!」


専門的な事も気軽に話せるから、確かに楽だ。


結構好き勝手話してもニコニコしているが、上っ面じゃないのは判る。


ご飯を食べながら盛り上がってると、俺の携帯が着信音が鳴った。


画面には『土屋巴』の文字。


黙って眺めてると 


「須永さん…出た方が。」


「あ~いいや!急用じゃないだろうし。」


「大丈夫なん?」


「平気~土屋だから。」


彼女は、土屋を知らないし。


「ぶっ!」


安岡が驚くと


「いいんですか?」


彼女は、心配そうな顔をした。


安岡!
リアクションが、デカイんだよ!


俺は土屋のコールを無視した。

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