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不器用なタッシュ

第4章 シエロ

「はぁ…ふふ…嘉之らしい…。」


俺らしい?


『でも、須永さんの素でしょうから。』


また、彼女の顔がちらつく。


素?
俺の素って…。


掻き消すように、土屋に激しく舌を絡める。


「うふ…んん…ん。」


土屋の声が響く度に胸の奥に、染みが拡がる。


トクン…トクン…。


『ありがとうございます…。』


トクン…。


『こうゆうの…凄い好きです…。』


何で…シエロ何だ…。


「土屋…。」


「あ…嘉之…。」


俺の中の拭えない闇…。


どんなに重ねても消えない染み…。


君は、何故あの緑の空に惹かれたの…。


まるでシエロの光と闇の様に、土屋に一時溺れながら、君の差した光を求め始めていたのかも知れない…。


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