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不器用なタッシュ

第8章 決意

「何だよ!勿体ぶるなよ!」


「勿体ぶってねぇよ…居ないから…言えないんだよ…」


俺はまだ、何も持ってない…。


今、兄貴たちに香織の事を言ったら…
色んなモノを背負わしてしまいそうに思えた…。


香織が背負うのは…俺だけで…いい…。


俺だけの事を考えてればいい…。


その為にも…コンテストで入賞して基盤を作りたい。


異様なまでの闘争心が湧いてきた。


携帯をもう一度見直すと、メールの受信ボックスに、香織からメールが来ていた。


『気を付けて行って来てね。実家でゆっくりしてきなよ!ネコ様、宜しく!』


このメールをどんな顔で打ったんだろうか…





想像するだけで…幸せな気持ちになったんだ…。

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