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不器用なタッシュ

第8章 決意

ドックン!


「きゃは!一成さんたら~!」


頬を赤らめて、照れる元木…。


ドックン!ドックン!


何だろう…どうしょうもなく焦燥感と嫌悪感が身体中に広がって…


一瞬、目の前が暗くなる。


立ち止まった俺に、兄貴が声を掛ける。


「嘉之どうした?」


ドックン…。


「あっ…何でも…ない…」


そうだ…何でもない…たかが
『好き』って言葉だ。


でも…何で…こんなに息苦しいんだ…。


胸の中で不快で、モヤモヤしたモノが渦巻き始める。


無性に苛々し始めると




『嘉之…好き…大好き…』




香織の甘い声が何度も…リフレインした。

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