テキストサイズ

不器用なタッシュ

第4章 シエロ

展覧会の後、ファミレスに入ってご飯を食べる事にした。


「いや~!何かグニャリとしたものばかりで、不思議な世界観だったけど、本当に浮いてるみたいで見入っちゃったよ~。」


安岡は、かなり興奮気味だ。


「作者の事が分からなくても、ダリは普通に楽しめると思いますよ。私は、作者の人生とか調べちゃいますが。」


「へぇ~。」


そこまで興味持って観るんだ。


じゃあ、聞いてみるか…。


「あの、描かれてた女の人殆ど同じ人だったのは何なの?」


とびきり美人でもない…でも、独特なパワーを発してる女性…。 


「ガラです。ダリの奥さんですよ。」


「あぁ…奥さんやたら描いてたんだ。」


なんだ~そんなもんか…。


「はい…ダリにとって奥さんはミューズ…女神だったんです。ガラが死んだ後は、ダリは絵を描かなくなったくらいなんですよ。」


そうなの…。
ダリの半生より、やたらと生き生き語り出した彼女が気になった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ