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桐沢は改めて紗江に向き合うと、その細い肩を掴み紗江の目を覗き込んだ。

桐沢「紗江…俺は今は無職だ。だから本当は今言う資格はないのかも知れない。だけどあえて言う。俺と…一から始めて欲しい。本当の恋人になりたいんだ。」

真っ直ぐな目で真摯に伝えられた言葉。

紗江の目からは涙が溢れた。
必死に首を縦に振る。

桐沢「…ちゃんと答えてくれ。」

どうしても紗江の言葉で返事を聞きたかった。

紗江「…私も…直哉さんと…本当の恋人になりたいっ！」

嬉しくて…
幸せ過ぎて…
信じられないような気持ちで紗江は桐沢の腕の中に飛び込んだ。

紗江「…会いたかった…ずっと…」

思わず漏れ出た言葉。

桐沢「俺も…会いたかった。」

離れていた時間を埋めるように抱きしめあっていた。