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秘密の派遣業務

第35章 旅立ち

桟橋と船の中でじっと見つめ合う。

紗江には桐沢しか見えていない…
桐沢も紗江から目を離せない…

『出港します』

無情にも船は動き出す。

少しずつ離れていく2人の距離…

見つめあったまま…
どんどん離れていく…

紗江の目からは涙が零れ落ち、その涙は島から離れる毎に勢いを増していった。

(…直哉さんっ…直哉さんっ…待ってる…待ってるからっ…)

涙でぼやける桐沢の姿もどんどん小さくなっていく…

もう触れる事も出来ない…
声も聞こえない…

紗江「…うっ…ううう…っ…直哉さんっ!!」

桐沢の姿が確認出来なくなった時…
堪えきれなくなって…
紗江は泣き崩れた。

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