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秘密の派遣業務

第35章 旅立ち

桟橋には既に船が停まっていた。

紗江「……………」

(…喉の…奥が痛い……)

船を見た途端…本当にここを去るのだという現実が紗江を襲う。

無意識に繋いだ手を強く握り締めていた。

(っ?!紗江…震えてるのか…?)

紗江の手が震えていた…
じっと紗江の横顔を見つめる。

一瞬目を伏せた紗江だったが…
次に目を開けた紗江は微笑んでいた。

紗江「…みなさん…本当にお世話になりました。見送りまでして頂いて…。」

桐沢にはその笑顔が痛々しい…
込み上げる感情を必死に堪える。

(…紗江が耐えてるんだ…俺も耐えないでどうするっ!)

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