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桐沢が見守る中、紗江の最後の健康診断は終わった。

藤堂「避妊具も取り出したからね。」

紗江「…はい…」

藤堂「…本当に最後なんだね…。寂しくなるよ…。」

心底そう思っているのがわかる。

紗江「藤堂さんにもお世話になりました。最初から優しくして頂いて…本当に感謝しています。」

紗江にとって藤堂はいつも強い味方だった。

藤堂「どう致しまして。」

優しく微笑む藤堂に紗江もまた笑顔を返した。

藤堂「…もう行くの？」

もうすぐ…出発の時間だった。

紗江「……はい……」

桐沢「………………」

藤堂「…そうか…」

沈黙になった。

出発の時間はもう目前に迫っていた。