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最初で最後の恋

第22章 現実と向き合う

「冗談!

ほんとは…あたしも不安」


自分で元気付けておきながら、あたしは下を向いた。


本当はね、あたしだって怖いよ?


だって…初めて会う人だもの。緊張もするし、蓮のお母さんなんて聞いたら、もっとドキドキ。


その緊張は怯えもあるけど、少し期待もある。


蓮のような優しい人を産んだお母さんだから、きっとお母さんもあったかい人なんだろうなぁって。



「蓮にはあたしがいるし、あたしには蓮がいるから。

ね!」



あたしが笑顔を作ると、蓮もほんの少しだけ緊張がとれたのか、うんと頷いてくれた。



そして、しばらくの間電車に揺られること数時間。

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