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「ラ・ビィ・アン・ローズ、薔薇色の人生か。森下君とかいったかな。彼はフランス文学の愛好家かい？　僕の専門は英語だけれど、フランス語の何とも言えない響きも好きだな。自由に恋を謳歌する、古き良き時代の巴里(パリー)に郷愁を感じるよ」
　浩三が微笑む。ラ・ウィ・アン・ローズ、それは伊右衛門が弥生を描いたあの「緋薔薇の花」の副題でもあった。