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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第14章 番外編第一話「潮騒の詩」~海辺の恋~

 海神の日に浜辺へ来ると、亮平はどうしても亡き父母を思い出した。顔さえ見たことのない父、苦労のし通しで亡くなった母。幸薄い両親であった。何故、父は禁漁日に船を出したりしたのだろう。その父―亮平にとっての祖父―もまた漁師であったという父は、何より海の神の怒りの怖さを知っていたはずだ。

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