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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第8章 第三話【波の音】 予感

 やはり、亮平はここに幸を連れてくるつもりだったのだ。幸の予感は的中した。
 扉が開き、亮平が顔を覗かせた。
「着いたぞ」
 馬車から降り立った幸は息を呑んだ。眼前にひろがる蒼に染まった風景に、こんなときなのに一瞬、言いようのない懐かしさを覚える。

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