
1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第1章 プロローグ
皆、その言葉を待っていたかの様で、急にスクロールのスピードが早くなった。
『俺、やってやるよ!』
『じゃあ、私もやろうかな? ww』
『マジヤバいッて!』
『ホントに死んだらどうすんの?』
『やめなよ~!』
『マジウゼ~wwww やるって言ってんだからとめんじゃねぇよ!』
皆、思い思いの言葉を次々と書き込みしていく。
初めてチャットに参加する人は、きっと読むのだけでも精一杯だろう。
画面はいつもいる常連やら、突然入ってきた人のハンドルネームで次々と埋め尽くされていき、もう誰が何を話しているのか訳が分からない状態になった。
しかし、1人の書き込みで、一気に皆のテンションは下がることとなる。
『つか、みんな親が家にいんだろ? ひとりかくれんぼ出来ねぇじゃんwww』
そうなのだ。
ひとりかくれんぼは通常、真夜中の3時に、1人でやらなければならないルールになっている。
噂では、そのルールを破ると、1人かくれんぼをしていない他の家族にも危険が及ぶとか、1人でやらないと霊の姿は見えない等といったような話になっているようだ。
夏美が毎日顔を出しているこのチャットルームは、中学生専用。
一般の中学生が、真夜中の3時に1人きりなんて、普通は不可能だろう。
