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1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第9章 思い出



 体育館に着くと、既に沢山の生徒達が、クラスごとに適当に並んでいた。

 夏休みを間近にした真夏の体育館は、只でさえ蒸し風呂の様な状態なのに、全校生徒約800名の人口密度もプラスされて、更に暑苦しいものになっていた。

 生徒達は各々暑さ対策をしており、ハンカチで額の汗を拭く者、制服の胸元をパタパタと上下に動かしている者、中には下敷きを持ち出して仰いでいる者までいた。

 ほとんどの生徒は、何故緊急に全校朝礼が行われるのか分からないようで、あちらこちらから、この暑い中、何で呼び出されないといけないのかと不満の声が多々聞こえてきた。

 香織はやっとの事で自分のクラスの場所を見付けると、列の一番後ろに並んだ。

 教室を最後に出たはずの優香里は、いつの間に香織を追い越したのか、列の中央いる沙織と千里の間に並んでいる。

 しばらく待っていると、ようやく教頭が現れ、壇上の左下に置かれたスタンドマイクの前に立ち、話をし始めた。

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