
1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜
第6章 決行
『いよいよね……』
香織は大事そうに【カオリ】を抱き抱えると、台所にあった包丁を握りしめ、風呂場に向かった。
早速浴槽に【カオリ】を沈める。
米が沢山入っているせいか、【カオリ】は浴槽に入れた瞬間、ブクブクと泡を出しながら沈んでいった。
ここで台詞を言わなければいけないのだが……。
香織は最後の選択に悩んでいた。
人形の名前は決まったのだが、自分の名前をどうするかだ。
『普通に【香織】と呼ぶべき? それとも、千里か梢と名乗るべき?』
しかし、肝心の一部が誰のものなのか全く分からない……。
一瞬戸惑ったが、今さら深く考えてもしょうがないので、シンプルにこう名乗る事に決めた。
「香織が鬼っ! 香織が鬼っ! 香織が鬼っ!」
