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1人かくれんぼ〜貴方を呪います〜

第6章 決行


 この別荘は、父が海外の客人を招く時に、良く利用しているので、急な来客があってもいいように、最低限の生活用品や食料は常備してある。

 だから多少遠くても、【1人かくれんぼ】の舞台にここを選んだのだ。

 ふと時計を見ると、ため息混じりに香織は呟いた。

「5時かぁ……」

 楽しかったとはいえ、3時間半も車に揺られてここまできたのだ。

 流石に疲れていて、外に買い出しに行く気分にはなれなかった。

 最初は、とりあえずある分量の米で間に合わせようとも思ったのだが、もしこのせいで “実験” が失敗したりしたら……と考えると思いなおした。

 やはり最初が肝心とも言うし、それにまだ時間はたっぷりある。

 特にやることもないので、香織は財布だけ持つと、渋々近所のスーパーまで買い出しに行った。

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