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。+゚僕は君に恋をした。+゚

第40章 芽生え始めた小さな恋の花

この人はどこまで俺に優しいんだろう‥

「はい‥大丈夫です‥小野寺さんの方こそ大丈夫ですか?」

クスっと笑った小野寺さん

「私より我慢が出来ずに無理をさせてしまったあなたが心配です」

この人は本当に‥

こっちが恥ずかしくなるようなセリフをサラリと言ってのける

これが本当の小野寺さんなのか?



手を繋いで出た洞窟内

砂浜を歩いていると見つけた綺麗な渦巻きのピンク色の貝殻

「うわー♪かわいい♪」

橘さんが砂浜から何かを拾って手のひらにのせて俺に見せてきた

「貝殻?」

「かわいいでしょう♪もう一つあれば‥」

また探し始めた橘さん

もう一つ?

俺も一緒に砂浜を目で探りながらゆっくり歩いて探した

キラン!と光った先が尖ったブルーの渦巻きの貝殻

「ありましたよ?橘さん」

「すごいですね!小野寺さん♪」

はいっと渡してくれた先が尖ったブルーの渦巻きの貝殻

嬉しそうにポケットにしまった橘さん

そんなに嬉しい物なのか?

また手を繋いで歩いた砂浜

向こうの方で座って何かをしている高場さんが見えた

「あれ高場さんじゃないですか?高場さ~ん♪」

橘さんが手を振った

高場!?

繋いでいた方の手を離した俺

えっ‥

繋いでいた手を離された

「気づいていないみたいですね…」

「‥‥‥‥」

だけど小野寺さんから手が触れられる事はなかった。


高場さんの側まで行くと木の枝で釣りをしていた高場さん

「釣れますか?(笑)」

ウトウトしながら釣れない釣りを満喫していた俺に声かけてきた人

「橘さんと頭?!お帰んなせーっすぐ車出しますんでっ」


その時ピクピク動いた木で高場さんが手作りした竿

「高場さん!お魚きましたよ♪!!」

えっ‥

石ころを積んで重ねた中に突っ込んでいた竿がピクピク動いていた

「引き上げろ高場!」

「へい!」

ゆっくり引き上げたら糸の先にぶら下がっていた小魚一匹

「すごーい!♪」

手を叩きながら飛んで喜ぶ橘さん

「私もしていいですか?♪」

橘さん?

俺は頭を見た

頭が木の枝で竿を作り始めた

頭‥‥?

「何匹釣れるか競争だ高場♪!!」

競争?

「橘さん一杯釣り上げましょうね♪」

ニコッと笑った頭が作った竿を橘さんに渡した

何とも言えない暖かなオーラに包まれた不思議な光景だった

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