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愛の嵐

第31章 過去×未来=今

回数が増える事に身体が慣れていく
冬を迎える頃には会話より先に身体を求めるようになっていた
そんな頃に突然の別れが訪れた

大「親が転勤になった」
相「へ?ど、どこに?」
大「アメリカなんだって」
相「アメ・・リカ?」

それ日本のどこ?
逢いに行けるよね?
まさか、海外のとかじゃないよね?
否定したくて、違って欲しくて涙が溢れた

大「泣かないで」
相「だっ、てぇ、ふぇ~」

包み込むように抱き締められた
離したくなくて目一杯に抱き付いた
離れるなんて考えた事もなかった

大「お、俺だって、うっ、ふっうぅ」
相「やだ、やだぁ、離れたくっないぃ」

抱き合ったまま涙が出なくなるまで泣いた
子供だった俺達にはどうしようも出来ない
泣いたって喚いたって一人ではまだ生きていけない
強制的に諦めさせられているんだ

大「好きっだよぉ、離したく、ないっ」
相「好きっ、好きっ、やだぁ、うわぁ~ん」

後にも先にもこんなに泣いた事は無い
親にビックリされる程に目を腫らしていた
誰かを憎む事も出来ずに受け止めるしかない
早く大人になりたかった

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