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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~

 親に決められた政略結婚でありながら、幼いときから恋を育み、誰もが羨む結婚をした稀に見る幸せな恋人たちだ。
 そのときの話を思い出すと、どうしても沈んでしまう。想いに耽っている藍那の耳を王の声が打つ。
「そなたの申すことは奇抜でも、筋が通っている。よくよく考えれば、皆、正しい。そなたと話しているといつもハッとして、どんな物事も最初から決めつけて眺めてはいけないと固定観念の怖ろしさを感じる。思い込むということは怖ろしいことだ」

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