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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~

「私の生命の焔は燃え尽きる前の最後の輝きを放っているのではないかと思うことがある。いつになく今、調子がよいのもそのせいではないかと思うと、無性に怖くなる」
 いやと、彼が首を振った。
「そうではない、私が最も恐れるのは死ではなく、死によって、そなたと永遠に逢えなくなることだ」
 王がポツリと言った。
「女々しい男だろう? これで琉球王国の頂点に立つ国王だというのだから、笑える」

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