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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~

 と、王が苦笑をその端正な面に上らせる。
「別に全部脱げと言ってるわけではない。濡れた着物を着たままでは重たいし身体は冷えるだけだ。せめて打ち掛けくらいは脱いだ方が良い」
「あ、はい」
 自分は一体、何を勘違いしているのか。紅くなりながら、藍那は打ち掛けを脱いだ。しかし、震えは一向におさまる様子はなく、むしろ烈しくなっていく。

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