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最後のキス~琉球の海を渡る風~

第3章 The wind of Ryukyu~琉球の風~

 王がスと手を伸ばす。親指で頬をつたう涙を拭われている中に、ふと王の顔から笑みが消えた。真顔になった王が藍那の手を掴み、そっと引き寄せる。
「もう、逃げないか?」
 恥ずかしさに頬を染めながらも、藍那は小さく頷くことで肯定の意を示した。王がにっこり笑って頷き返し、唇を重ねてくる。

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