
チョコレート
第12章 海
優衣side
あたしは祐樹くんを誘って
バナナボートに乗ることになった
あたしが前で
祐樹くんが後ろに乗った
「持ち手しっかり握っときよ、振り落とされるから」
とおじさんが言ってすぐ
バナナボートが動き出した
「キャァ!」
こんなすごいの!?
うわっ振り落とされそう!
「すっごいなこれっ」
祐樹くんもびっくりしてる
でも楽しい!
と思った瞬間
カーブしたときに
すごい勢いで
体が海に投げ出された
ザバン!
足つかないし!
なんとか
バナナボートにつかまった
「俺前行くよ」
祐樹くんはバナナボートに
乗りあたしに手を差し出した
「乗れる?」
「ありがとう」
手につかまり
もう一度バナナボートに乗った
「姉ちゃん、彼氏の腰につかまっときな~」
とおじさんが言った
「か、彼氏って…」
カップルと思われてたのか…
「優衣ちゃんつかまっていいよ」
「あ、じゃあ…」
