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チョコレート

第10章 過去

放課後

私は涼くんと教室にいた



今日の日直だったから。



日直の仕事は
日誌を書いて
黒板消すだけだけどね




今黒板消してるけど
上の方が届かない…




「彩ちゃんは日誌書いて」



私の手からヒョイと
黒板消しが消える




「あ、ありがとう」




窓際の自分の席に着き
日誌を広げてペンを持った


その時
2人だけの静かな教室に
後ろのドアの開く音がした




「まだ岡田くんいる?」





隣のクラスの子だ



「どうしたん?」



黒板を消す手を止めて
涼くんが返事をした





「ちょっといい?」




涼くんは戸惑った顔で
私を見る




「行ってきて」




「すぐ戻る」



そう言って
教室を出て行った


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