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恋して桜!

第3章 もしも、近藤さんに惚れたら…

それから近藤さんは何度も私の所に通ってくれた。

近藤さんは私に故郷のことや、京の自然のこと、
最近読んだ本のこと色々話してくれた。

私は、お返しに
故郷の母から習った舞を踊った。

私の母は舞を見るのが好きで、珍しい人だが
舞を習いに行っていたそうだ。

そんな母から習った舞だからクセも強く、この廓で通用するものではないのに、
近藤さんは、この舞を好んでくれた。


最初は父のように思っていた近藤さんに
会うたび心が弾む事に気づいたのは、
蝉の鳴き始める初夏の事だった。

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