
パパとママのタカラモノ。
第3章 新生活。
智ちゃんはさぞ
つまらないんだろうなと
思いつつ隣に目をやると
意外にも画面に釘付け状態で
「ぎゃぁぁぁ!!ひぃッ!痛ーいッ!!」
「死んじゃぅッ!!助けて!ッあぁ!!」
と女性が旦那さんにしがみつき
悲鳴を上げているシーンを
ジーッと真剣な眼差しで見つめていた。
他のご夫婦はというと
旦那さんが両手で顔を覆っていたり
ポカーンと口を開けたまま固まってたり
中にはテレビ画面自体から
目を逸らす方や退出する方もいた。
それに比べて奥さんたちは
一度も画面から目を逸らそうとは
していなかった。
私は例え一瞬でも
(怖い)と思ったことを恥じた。
出産は女性にどって命懸けの大仕事。
最悪命を落とす場合だってある。
(医者に下半身を晒して、出産だなんて、恥ずかしいにも程がある。)
なんて甘っちょろいことは
言ってられないと今更ながら気付いた。
現に、画面の中の女性も
私の母親も義理のお母さんも
子供を持つ親はみんな、この痛みを
乗り越えてきてるのだから―――
私に出来ないはずがない。
