
パパとママのタカラモノ。
第3章 新生活。
そんな話を看護師さんに
愚痴っていたら、
「んー、両親学級に出席してみたらどうかなあ?少しは父親の自覚が持てるかも。」
とアドバイスを頂いた。
早速その夜智ちゃんに
両親学級のことを伝えると
意外にも行く気満々だった。
―――翌朝。
お腹の張りは依然として変わらず
生理痛のような強い痛みで
私は朝食が食べられずに
ベッドに潜り込んでいた。
「斎藤っちー、大丈夫かぁ?」
同室の末松さんが
カーテン越しに声を掛けてくれた。
末松さんは
39歳の先輩妊婦さん。
大部屋のICUに
移動したときから
良くして頂いていた。
奈央「ずっと張りが治まらなくて(苦笑)」
「旦那が悪いだろー。あんな事故するから!」
もしかしたら
死んでたかもしれない
大事故。
単独だったから
まだ良かったものの
人身事故なら
一生罪を背負って
生きていかなきゃ
ならないところだった。
「斎藤っちが、こんな辛い思いしてんのに、何考えてんだ!」
末松さんは呆れ返っている。
そこへ私の担当医と看護師さんが来た。
「あっ、やばっ!戻らなきゃ!またね、斎藤っち!」
末松さんは慌てて
自分のベッドへと戻って行った。
「斎藤さん、まだ痛い?」
担当医はこの産婦人科病棟
唯一の女医さんで、すごい美人さん。
けど私は
頷くことしかできない。
「‥点滴しよっか。辛いよね。」
仲良しの看護師さんが
氷枕を持ってきてくれた。
「微熱もあるんです、先生。」
「いつから?」
「昨夜からです。」
「旦那さんの事故で、不安定になっちゃったかな‥。」
どこまで広まったんだろう‥
智ちゃんの噂は。
