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『幼なじみ』

第26章  偵察



暫く・・・
薄暗く細長い通路を・・・


拓弥はそのまま・・・


黙々と進み続ける・・・。


しかし・・・先程・・・


自分勝手に・・・
置いてきてしまった
悠希が・・・


その場で
立ち竦んだまま・・・


待ってやしないかと・・・


無性に・・・
気になってしまい・・・


ハタと立ち止まり・・・
静かに回れ右をする・・・。


『流石に・・・居ねーよな・・・』


通路全体を
じっくり
見渡してみるが・・・


もう・・・既に・・・
悠希の姿は何処にも無く・・・


拓弥は・・・
ホッとした反面・・・


何故か・・・


心にポッカリ
穴が空いてしまった
ような・・・


何とも言えない・・・
虚無感に襲われ始めた・・・。


『はぁぁ・・・


折角・・・悠希と・・・


久しぶりに
会えたのに・・・


なんてザマだよ・・・


悠希も・・・さっき・・・
言ってくれてたよな・・・?


俺と・・・
酒・・・飲みながら・・・


昔話に・・・
花咲かせたかった・・・
ってよ・・・。


俺だって・・・


悠希と・・・


いっぱい
色んな話して・・・


いっぱい笑って・・・


普通に・・・
仲良くしたかった
だけなんだよ・・・!




ウッ・・・クソッ!


それもこれも・・・


全ては・・・喜多見・・・


喜多見さんの・・・
セイじゃないっすかッ・・・!


チ・・・チキショ―ッ!!』


拓弥は・・・
いきなり・・・


全ての元凶である
喜多見に向かって・・・


心の中で
罵声を浴びせると・・・


突然・・・
気でも狂ったかのように・・・


自分の頭を
グシャグシャと
掻きムシった・・・。














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