テキストサイズ

お兄ちゃんはいちご味

第8章 血の味




瞬間、果乃の顔が浮かんだ。


さっきしたばかりの血の味のキスを思い出す






こんな時に…なんで果乃のことなんか…






「…んっ……い…つまでしてんだよっ!」



俺は我に返りゆりの肩掴んでをぐいっと引き離す



「……怒った?」

「別に…」

「捺が人前でこういうことするの嫌いって知ってるのに…ごめんね、嫌いになった?」



そう言ってゆりは上目遣いで恐る恐る俺を見る



「別に…嫌いになんねぇよ」



俺は目を逸らしぼそっと言い放った。



「あはっ♪デレた!」



そんな俺を見て、待ってましたと言わんばかりの嬉しそうな笑顔を浮かべるゆり


こいつ…
言わせるつもりだったな…!



「お前っハメたな!」

「ひっかかる方が悪いんだよ〜ん♪」



ゆりは笑うと普段の美人顔からは想像できないぐらい子供っぽくなる

その笑顔は俺の中でたびたび果乃と重なった。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ