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プリンセスを護衛

第21章 長編 冬の関西紀行

三橋はそう言うとくるりと背を向け帰って行った。

「優馬、」

「ミュウ、気をつけろよな。ここは人が多いし、変な人もいるんだから。」

「っ!優馬が居なくてもどうにかしたわよ。」

「…。夫婦善哉食べに行こう。」

優馬は美憂の言葉には答えず、そう提案した。

「法善寺名物の?」

「そう。夫婦じゃないけどな。」

2人は法善寺の隣のお店に入った。

「そういえば、なんか小説であったよね?『夫婦善哉』っていうの。」

と美憂が聞く。
高校生なだけあって文学の知識も少しばかりありそうだ。

「ああ、織田作之助のやつ。読んだことないけど。」

やがて善哉が運ばれてきた。

「甘くておいしい!」

美憂が珍しく子供らしい笑顔で笑った。
優馬はまじまじと見つめてしまった。

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