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理想と偽装の向こう側

第19章 罪悪感?

ミーティングも兼ねてと、井関さんが私の体調も考慮してくれ、和風料亭の個室にしてくれた。



「すみません、渡辺がちょっと体調不良で…。もっと重たいものが良かったですかね?」



「いえいえ!こちらからの提案なのに、こんな素晴らしところ用意して頂き、有り難うございます!渡辺さん大丈夫ですか?」



辻さんは、心配そうに声をかけてくれた。



「あ…はい…。ちょっと貧血気味で…。」



久々の嘉之との対面…向こうは、何事も無いかの様に清ましている。



嘉之とは、斜めに向かい座る形になり、正面じゃなくて助かったけど、冷や汗と吐き気が出てくる。



堪えられるかな…。



「今回の提案…元々は、須永くんが今度イタリアに拠点を置くので、アイディア的に言って来たんですが、これがまた上手く言ったらヨーロッパ進出に繋げて行けるかと思いまして!」



辻さんは遠くを見詰め頬を紅潮させて熱く語る横で、嘉之は特に動じることもなくお茶を啜っていた。



「それは何か凄いですね。」



井関さんも釣られて、声のトーンが上がり、辻さんがテンション高いまま



「お昼なんですが、一杯だけ軽く乾杯しませんか!」



えっ!アルコール!?


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