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理想と偽装の向こう側

第18章 永久と再会

木曜日

会社に出社すると、みんなの視線は腫れ物を触るような感じだ。



火曜、水曜日と通夜と葬儀になったため、休みをもらって今日久々に出社した。



忌引き扱いで休みにしてくれたのか、噂は一気に広がっていた。



会社の人たちは、光花を知らないから余計な事を言ってくる人もいなかった。



ただ一人を除いては…



「小田切…お疲れ…。」



「滝島…処理とか、色々有り難うな…。返事直ぐにしなくて悪かったよ。」



「いいよ…。」



滝島は、分かっていてくれた。



『大丈夫だったか?』



もらったメールの返信は、翌日



『しばらく休む。また連絡する。』



と、返すと直ぐに返事がきた。



『分かった。自分を責めるなよ。』



多分、状況を察したんだと感じた。



葬儀は身内葬でしめやかに行われ、出棺まで見届けて、俺は帰った。



思い出話しには、混ざりたくなかったから。



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